【ユーコン川カヌー】Ep.1 計画編 ~ カナダ・ユーコン川遠征を決定

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ホワイトホースからユーコン川を下る旅計画

こんにちは、がくんちガクです。

今回の記事からスタートする「特集・ユーコン川カヌー」は、カナダのユーコン川をカヌーで下るという、カヌーイストならすぐにピンとくるであろう話。本特集では、ユーコン川を目指す4人が計画を始めてから無事に日本に帰国するまで(帰国するはず)の一連の流れを追いかけていくが、まずは一念発起してカナダ行きを確定させるまでの計画段階を「Ep.1 計画編」としてまとめたのがこの記事である。

カヌーイストにはお馴染みの話も、我らが遠征メンバーは全員がカヌーの素人。しかし「行くと決めたからには行く」という決心と持ち前の身軽さで、手探りによるユーコン遠征計画を開始した。この手探りの歩みは、今後ユーコン川を目指すという人たちにもきっと参考になると思う。

ユーコン川遠征のゆかいな仲間たち

聞くところによると、ユーコン川というのはカヌーイストと呼ばれる人たちにとっては憧れの地なのだとか。カヌーとカヤックの違いすら最近知った程度の私は、少し申し訳ない気持ちになったりするのだが、今さら後には引けない。

繰り返しになるが、私だけでなく遠征メンバー全員がカヌーに関してはド素人である。以前は山屋としてザイルを結びあい、過酷な状況下の行動を共にしてきた仲間なので、長い旅路でも仲間割れのような事態は心配をしなくてよいのはありがたい。そもそも山屋という人種は、地理地形の把握や自然への対応力という点では自信があるため、ユーコン川下りは広背筋と大腿筋で攻略できるくらいにしか思っていない。故・野田知佑氏の有名著書に感化されたとなどという風情ある動機は微塵もなく、「水曜どうでしょう」のユーコン編を見てミスターの釣りとシェフ大泉のグレーリング飯に心を奪われている、本物のカヌーイストからするとけしからん連中であろう。

そんな「なんちゃってカヌーイスト」の4人を紹介する。

ガク

本サイトの管理人。本格的な子育てが始まるまでは、へっぽこアルパインクライマーとして毎週末を山岳で過ごしてきた。そのうち岩・雪・氷のクライマーから沢屋へと堕ちて(?)、最近は娘との一般登山を楽しむに留まり、その様子を動画や記事にするのを趣味とする中年オヤジである。元半人前コックで外国で飲食やホテルの経営学を学んだこともあるが現業とは無関係。山と清流の田舎に生まれ、少年のころからフライフィッシャーだったが、青年期のほとんどを自然の豊富な海外で過ごしながらも、全く釣りをしなかったことを後悔している。

やまとさん

北アルプスの秘境である黒部源流の山小屋「薬師沢小屋」の小屋番(支配人)。女性小屋番としても話題になった。シーズンを黒部源流で過ごす彼女のテンカラ釣りの腕前は、仙人の領域にある。同小屋における厨房長の経歴が長く、料理の腕前もピカイチで「薬師沢小屋の食事は美味しい」と言われる土台を作った。「山と旅のイラストレーター・やまとけいこ」の名で絵画の創作、書籍の執筆、雑誌のコラムニストなど、アーティストとしても活躍する美大卒の自由人であり、魂に忠実な原始人でもある。

代表著書「黒部源流山小屋暮らし

みやちん

某山岳会のリーダー会の一人で、サイト管理人のガクとも複数回の海外クライミングに出かけ、各地でドタバタ山行を繰り返す経験を共にしてきた。なぜかお菓子作りの才能を持つスイーツ男子であり、毎度仲間が集まる機会には、女子メンバー達からのケーキを焼いてこいといった無茶振りに対し、必ず期待値を越えてくる変態スイーツ野郎。実は化学専門の理系男子なのだが、その素養を菓子作りに浪費している。しかし大自然の中では彼の洞察力に助けられることも多い。

あっちゃん

天真爛漫でわんぱくが止まらない良い意味で単純明快な脳筋女子。一年中、海・川・野山の大自然へと飛び回り、落ち着く気配をみじんも感じさせないわんぱくぶりには脱帽する。管理人ガクとは24時間耐久マウンテンバイクレースで知り合い、スノーボートやキャンプを経て、そのうち山岳登攀にも同行するようになった仲間の一人。釣り女子でもある彼女は、ユーコン川遠征でも釣りのことで頭がいっぱいで、準備に関する最初の相談が「どんな竿を持っていけばいいでしょう?」だった。宴会を賑やかにする特殊能力がある。

やまとけいこ氏の代表著書

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ユーコンへの思いが再燃

最初にユーコン川へ行こうという話で盛り上がったのは、たしか7~8年ほど前。その時は今回のメンバーでもある「やまとさん」と山岳会の先輩1~2名に私という予定だった。結局、諸事情でその年は行けず、そうこうするうちに我が家の子育ても本格化したため、私の趣味への時間配分は1日で完結できるゴルフ中心になり、山からは足が遠のいていった。

子供の成長は早いもので、いつのまにか小学校に入って体力がつき、親子で一般登山に出掛けることも増えてきた。そうなると「そろそろ娘と薬師沢小屋まで行けるだろうか?」などと考えてしまう。以前は薬師沢へは毎年のように通っており、上ノ廊下を遡行して薬師沢小屋で宴会したこともあり、なんとなく恒例行事感があった。そこで、今年は子連れで遊びに行くかもしれないという連絡とともに、ずっと心残りだったユーコンの話をやまとさんに持ち掛けてみたところ、「今年は一人でも行くつもりだった」と言う。アーティスト活動を兼ねているのだとか。

ここで一人で行かせては約束も守れないゲス野郎の烙印を押されてしまうではないかと友人達にも声をかけたところ、「いきま~す」と軽い返事で当初計画とは異なる二人が便乗し、あっという間に遠征隊ができあがった。いつもこの二人は身軽そのもので、過去には共にヨーロッパやカナダのクライミングに出かけたこともある頼もしい仲間だ。

薬師沢小屋へ

ほどなくして「ユーコンどうします? 飛行機予約しちゃおうと思って…」と口火を切ったのは理系男子の「みやちん」だった。一人でもこういう堅実キャラがいると後押しされてとても助かる。「あっちゃん」も入れて3人で話したところ、やまとさんと会って決めることをさっさと決めようということなり、登山シーズン中の山籠もりで電話の通じないやまとさんに会うために、薬師沢小屋へ遊びに行くことが確定した。もちろん夏休み中の娘も連れていく。

やまとさんには、娘の夏休みの思い出に山小屋の手伝いを体験させてくれないかと、事前に尋ねて了承をもらっていた。娘はこの話に大興奮で夏休みが待ちきれないといった様子。5年ぶりくらいに向かった薬師沢小屋は、「こんなに遠かったっけ?」と思うほど長い歩きな気がしたが、とにかく無事に旧友との再開を果たし、娘も大いに自然を楽しんだ。(薬師沢小屋訪問に関する過去記事と動画リンクはこちら👇)。

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結局、薬師沢小屋での会話は日程についてが中心で、後は現地ガイドとやり取りして決めようという軽い話だったが、一同が顔を合わせて一歩でも話を進めるという大切な儀式は完遂した。現地ガイドとのやり取りは、英語にストレスない私が担当することになったのだが、最終的には日本人ガイドとのやり取りに落ち着いた。これについては後述する。

そんなわけで、薬師沢小屋から帰宅した3人は、すぐに申し合わせて東京⇔バンクーバー間の国際便を押さえ、具体的な行動を決めるための情報収集を始めた。やまとさんはまだ山の中だったため、3人のフライト情報だけ送っておく。彼女はたまに薬師沢小屋から太郎平小屋へ行く用事があるので、その時に電波を受信できることになる。

夏が終わって小屋じまいの時期になり、下山したやまとさんもフライトを確保。ほかの3人よりも2週間近く前倒して渡航してアーティスト活動に専念するのだとか。これで全員の渡航が確定したため、計画は次のステージに移行する。

現地ガイドにコンタクト

一旦、国際便(東京⇔バンクーバー間の往復)を押さえたところで、次に二次情報を集めてより詳細な状況を把握することに努めた。現地ガイドによる紹介記事や、ユーコン川経験者たちのブログなどが主な情報ソースである。日数や行程、服装や装備など、表面的に読み取れる情報はある程度手に入ったところで、さらにもう一歩踏み込んだ情報を得るために、現地ガイドにコンタクトすることにした。当初はローカルの現地のガイドにコンタクトを取ることを考えていたが、様々な情報を検討した結果、やはり日本人ガイドの信頼性が高そうだと考え直した。決して差別とかではなく、経験則から文化的な親和性を優先した。

日本人ガイドと言えば、ネット上で何人かの存在が確認できるのだが、その中で最も信頼できそうだと思えたKLONDIKE CANOEING RENTALS」(クロンダイク・カヌーイング・レンタルのオーナーである櫛田篤司(くしだあつし)氏にコンタクトを取ることにした。特に目を引いたのが、櫛田さんが自社のウェブサイトで公開されている情報の分かりやすさだった。丁寧に整理されているうえ親切心もうかがえる。他のレンタルビジネスに勤務されている日本人ガイドに関して、たまたま批判的なブログなどを見てしまったというのも無くはないが、これはビジネスの規模と使用者/使用人の立ち位置の違いなどが考えられるため、あくまでもひとつの参考意見として受けとめて公平に考えた。

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国際便は押さえていたので、それに準じた計画表を作成して櫛田さんにメールを送ったのだが、予約がしたいという話よりも、そもそも計画に無理はないかなど、半分は相談のようなメールである。翌々日に返事が届いたが、ちょうど石川県の地震の復興支援ボランティアで来日されるということで、日本に着いてから電話で話しましょうといことだった。

櫛田さんと話す

櫛田さんから電話があり、なんだかんだで1時間近く話していた。いろいろなことを教わったが、その内容は次のブログ記事(Ep.2 情報編)で詳細に説明するため、ここでは要点だけをカバーしておく。

  1. ユーコン川でのカナディアンカヌーはちょっと練習したくらいでは無理ということだったが、櫛田さんから長野県(野尻湖)の信頼できるトレーナーを紹介してもらい、2日間の本格的な講習を受けることになった。そのトレーニングの様子については後日執筆予定の記事で解説したい。
  2. 時期に関しては、我々が予定している6月初旬というのはユーコン川に人がほとんどいないため、何かあってもすぐに助けは来ないがキャンプ地探しには困らないらしい。それと、ユーコン川経由だとまだ氷が残っていて無理かもしれないが、テスリン川経由なら大丈夫とのこと。もちろん初心者なのでリスクの低いテスリン川経由でユーコン川に合流する予定でいる(理由は次の記事で解説)。この時期の天候はかなり安定しているらしく、逆に日本人が好きな夏休みの時期は不安定なのだとか。
  3. 当初は日程の関係でLittle Salmonをゴールとするか悩んでいたのだが、Little SalmonをゴールにするくらいならCarmacksまで行ってしまったほうがいいということだった(地理的なものは次回記事で説明する)。
  4. 耳より情報として、国内便の予約をAir Northですれば、乗り継ぎ便特典として安価に購入できると方法があるらしい。やまとさんに限ってはすでにオンラインでキャンセル不可のチケットを購入済みだったが、ほかの3名は私が代表でAir Northのチケットカウンターとやり取りをしたことで、片道100ドル強という通常の半額以下で購入できた。詳細は次の記事にて紹介する。

さて、櫛田さんと会話のおかげで、先に国際便を押さえていたことによる日程に対する不安が解消し、行程表が確定した。この表では買い出しの時間が短いが、これは先に現地入りしているやまとさんが事前に買い出しを進めてくれるという前提で成り立っている。バンクーバーからホワイトホースまでの国内線については予約確定後の時刻が反映されているが、櫛田さんとの会話時点ではネットで運航便の傾向を把握した程度だった。

情報共有という名のオンライン飲み会

櫛田さんと会話した2日後の夜に、遠征メンバー全員でオンライン会議(LINEグループのビデオ通話)をして今まで蓄積した情報の共有をしあった。20時半に予定していた会議だったが、そのことをすっかり忘れたやまとさんがスペインバーで飲んだくれていることろだったため、22時半にリスケ。

ビデオ通話が始まると、さっきまで飲んでいたスペインバーを宣伝したいという熱い思いを語る酔いどれやまとさん。ユーコン準備のこの記事にお店への導線が引けるのかはさておき、ここで宣伝させていただくことにする。お店の名前は「BAR COMEDOR UNiCO バル コメドール ウニコ」というらしい。ネットで見たところなかなか美味しそうなので、次の富山訪問のターゲットにしたいと思う。

食べログ
BAR COMEDOR UNiCO (新富町/スペイン料理) ★★★☆☆3.37 ■パエリアの予約について ■予算(夜):¥5,000~¥5,999

話を戻して、一通り櫛田さんから伺った情報を連携しながら次のアクションを決めていく。やまとさんがホテルを予約し、私が国内便とカヌー研修を予約するというタスクが生まれた。ほとんどオンライン飲み会といったノリの楽しい会議であった。

オンライン会議のスクショ👇
  

まとめ

オンライン飲み会(?)の翌日から各々が認識したタスクをこなし、これまでに以下の重要なアレンジが完了した。

  • 国際便(羽田⇔バンクーバー間)の予約
  • 国内線(ホワイトホース⇔バンクーバー間)の予約
  • 現地ホテルの予約(スーパーの近くを確保)
  • 野尻湖でのカヌー講習の予約
  • カヌーレンタル(櫛田さん)の仮予約(本予約が必要)

大きなものは押さえた感があるが、細かいことを含めると、まだまだ忘れていけないことがある。例えば …

  • カヌー以外のレンタル品の詳細を櫛田さんと相談し本予約を済ます(手付金の支払い発生)
  • eTA というカナダの電子渡航認証 (アメリカのESTAのようなもの)
  • カヌー研修で学べるだけ学ぶこと
  • フィッシングライセンス等の情報整理
  • 必要な携行品の準備 など

さて、今回の記事は「序章」ということで、ユーコン川へ向かう経緯やメンバー及び、具体的な計画を紹介した。櫛田さんから得た情報の詳細は次の記事(👉Ep.2 情報編)で紹介している。カヌー研修やカナダでの様子、釣りや携行品のあれこれなど、それらすべてをユーコン関連記事として随時執筆していきたいとも考えている。

以上、Hope to see you soon!

★がくんち – Gaku’s Base★

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