【自由研究 3年生】ヤマビルに関するマニアックな情報 – 神奈川県秦野市で「ヤマビル研究会」を見学

目次

三重県の子どもヤマヒル研究会と秦野市の子供達のイベントを見学

こんにちは、がくんちガクです。

以前の記事で、娘が夏休みの自由研究にヤマビルを研究したことを紹介しました。

以前の記事はこちら
【自由研究 3年生】夏休みはヒルの研究 (前編) – がくんち – おとうさんマンの宝箱
【自由研究 3年生】夏休みはヒルの研究 (後編) – がくんち – おとうさんマンの宝箱

今回は子供のヤマビル研究の総本山である三重の「子どもヤマビル研究会」の研究員たちが、神奈川県秦野市の秦野駅で研究発表をするという催しがあり、娘と共に見学に行ってきたので備忘録を残したいと思います。

イベントを知った経緯

夏の間にヤビツ峠でヤマヒルを探して実験をした様子を動画とブログで紹介しましたが、そのヤビツ峠にあるレストハウスのオーナーから、今回の秦野駅での取り組みをご紹介いただき、イベントオーガナイザーのK氏につながりました。

レストハウスのオーナーからいただいたイベントのチラシ

三重の子供達(子どもヤマビル研究会)の取り組みに感銘を受けたK氏が、丹沢を訪れる人々にヤマビルについて正しく知ってもらいたいう思いで、秦野市と三重県の子どもヤマビル研究会の交流を思いつかれたそうです。丹沢はヤマビル被害が深刻化している地域であり、秦野市は表丹沢が鎮座する丹沢の玄関口です。

その後、K氏の友人であるヤビツ峠のレストハウスがのオーナーが主催して、三重の研究員達の往来をサポートするためのクラウドファンディングを立ち上げられ、その成果の一つとして今回の発表会が開催されたという流れのようです。私も少額ながら寄付させていただいたので、見守りたい気持ちで一杯

そこで、K氏へのご挨拶がてら、総本山の子供たちがどんな発表をするのかや、彼らと一緒に夏休みの自由研究を行った秦野市の小学生の様子を見に行くことにしました。

ヤビツ峠での我が家のヤマビル研究動画はこちら⇩
【夏休み自由研究 小学3年生】ヤマビルの研究に丹沢のヤビツ峠でフィールドワーク – YouTube

発表会の様子

当日は3連休の初日で、東京から車で秦野市に向かうのに、あちこちが渋滞していて4時間もかかってしまい、電車でこればよかったと大いに反省。駅の近くの民間駐車場に車を停めて、駅の構内(2階)に入ると、小ぶりなブースが設置してあるのが目に入りました。渋滞でゆっくり昼食を取る時間が無くなってしまったため、駅の構内にあるマクドナルドに入店し、大急ぎでハンバーガーをお腹に入れます。

開催時間の13時に5分程遅れてブースに行くと、秦野市教育委員会の教育長さんがご挨拶をされていました。秦野駅の駅長さんもいらっしゃるようでした。

ちなみに山と渓谷社の方もいらしたようですが、私にはたぶんあの人だろうという程度にしかわかりませんでした。

教育長さんからご挨拶

構内にブースを構えて発表会

三重から3名と秦野市から3名の発表者

秦野市の子供達には駅長さんから表彰状

子供達の発表から学んだこと

三重の子どもヤマビル研究会から出版されている「ヒルは木から落ちてこない」(Amazon:ヒルは木から落ちてこない。 ぼくらのヤマビル研究記)から、様々なことを学んでいましたが、改めて研究員の発表を通して学んだことがあったので、以下に簡単にまとめます。

1.実験の結果、ヤマビルには嗅覚は無いと言える。汗の匂いや足の匂いまで試されたそうですが反応はなかった模様。

2.哺乳類の体温を20㎝付近から感じる。それより遠い距離は二酸化炭素濃度の変化を察知。これは本にも記載されていましたが、改めてデータとして見ると納得がいきます。

3.ヤマビルは吸血しすぎると死ぬ。産卵させるための研究過程で、吸血させたヤマビルの死亡率が高かったため吸血時間を制限してみたところ、死亡するヤマビルがいなくなったそうです。

   

4.ヤマビルは脱皮する。脱皮に失敗して死亡する個体もある。これについては初耳でした。

5.ヤマビルは高温が苦手なため、適宜、土などに潜ってやり過ごす。晴天の最中に姿が見えなくなるのはこれが原因ですね。

6.大型哺乳類よりは、遭遇確率の高いカエルを吸血して延命する。そうしながら大型哺乳類の吸血機会を待つ。カエルがヤマビルの行動範囲を広める可能性については読んだことがありますが、あらためて考察を見ると納得できることも多くあります。

ヒルは木から落ちてこない。 ぼくらのヤマビル研究記
著者: 樋口 大良,子どもヤマビル研究会(山と渓谷社)

 

発表会後の交流で質問して学んだこと

卵について

ヤマビルの卵について質問しました。ヤマビルが体中央から泡を吹きだすことでハニカム構造のような卵が形成されます。しかし蜂の巣のように見えるセル部分に幼体が1体づつ入っているわけではなく、そのさらに内側の丸いコアの部分に5~6匹がまとまって入っているのだとか(ハニカム構造は卵の表面のみ)。ちなみに、野外では孵化後の卵の殻をフィールドで見かけた研究員はいないそうです。それほど見つけにくいということなんでしょう。卵のハニカム構造部分には一定の強度はあるそうですが、指で潰せば潰れる程度のようです。

産卵について

これまでヤマビルが雌雄同体なのは分かっていましたが、交尾なしで産卵するのかと思っていました。そうだとすると卵からはクローンが生まれていることになるので、ちょっと不思議ですし、クローンで増加しているのなら生命体としての強度をこれまで保っていられることが謎すぎます。 しかし、やはり交尾は必要だそうで、交尾後に吸血することで産卵が可能になるそうです。ちなみに最も産卵が盛んなのは暑くなりすぎる前の雨の多い時期(つまり梅雨時前後)とのこと。

存在意義について

一番だと思っているのが生態系におけるヤマビルの存在意義。やはり子ども研究員からは明確な回答は得られませんでした。子供達なりの想像力で、もしかしたらカエルの生態系内での数を抑制しているかもしれないとか、鳥の餌となっているかもしれない(イワナなどの渓流魚が食べる可能性は高いが、鳥も食べる可能性がある)などという意見もありました。

鶏を吸血させる事件中に首付近についたヒルを鶏が食べたことがあるそうです。ただし、鶏はなんでも食べるので、何の証明にもならないという補足付きです。

相変わらず謎は謎のままですね。寄生虫における疾病生態学や寄生虫生態学などのように医学的な研究がされないと、ヤマビルの存在意義までは解明されないのかもしれませんね。ちなみに寄生虫の食物網における役割はそれなりに解明されてきているようですよ。

噛み跡

これは質疑応答ではなく提示されていたパネルの情報ですが、ヤマビルの噛み跡は、まるで三ツ矢サイダーのマークです。こうやって嚙み切ったところにヒルジンという薬物を出して、血液が凝固しないようにして舐めるように血液を飲むようです。吸い出すわけではないので、心肺停止した哺乳類の血液は飲みません(血液が凝固するため飲めない)。つまり生き血でないと飲めないのです。

最後に

思いついたままに書き綴りましたが、また少しヤマビルに詳しくなりました。娘が何を感じてくれたか分かりませんが、自身が行った自由研究に関連することを、他の子供たちが真剣に研究して発表した姿を見せることができてよかったと思います。

今回のような秦野駅での取り組みは、いつか県外からも飛び入り参加できるようなイベントへと育って欲しいと思いました。必要あらばまたサポートさせていただこうと思います。

それでは次回の記事でお会いしましょう。

ガク

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【自由研究 3年生】夏休みはヒルの研究 (前編) – がくんち – おとうさんマンの宝箱
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ヤビツ峠での我が家のヤマビル研究の動画⇩

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